蘇軾、またの名を蘇東坡というが、彼は唐宋八大家と称される程の著名な詩人です。有名な作品は三国志の舞台である赤壁で詠った『赤壁賦』。
蘇東坡は有能な官僚でもあり、知事として赴任した先の杭州で領民から感謝の意を込めて多量の豚肉を献上されました。彼がその豚肉においしく味をつけて領民に返したところ、「東坡様の作った肉」として喜ばれ料理店のメニューに加わる事になったということです。これが東坡肉の由来の一説ですが、諸説あるので本当のところはわかりません。
東坡肉ラーメンなんぞを作ってみた。見た目ほど脂はありません。
【東坡肉の作り方・簡略版】
1:豚バラ肉を適度な大きさに切り、中華鍋で全部の面に焼き目をつける。
2:蒸し器で豚肉を30分弱蒸す。
3:豚肉を大鍋に入れ、八角、山椒、紹興酒を入れて1時間弱火で煮る。
4:醤油、砂糖を入れてさらに2時間弱火で煮込む。
5:出来上がり。一晩置くとさらに美味しく。
6:実は作り方にも諸説あるのでお好きなように。
美と愛の女神アフロディーテを崇める島キプロスの王ピュグマリオンは、島の女たちが世界で始めて金銭で男に身を任せるようになったために、女性全てに嫌悪感を持つようになり、彫刻で女神像を製作してこれを代わりとしました。とりわけ見事にできたそのうちの一体を彼は溺愛し、それを見たアフロディーテは彫像の娘を人間に変え彼に与えました。ガラテアと名づけられたこの娘を妻として迎えたピュグマリオンは、幸せに余生を暮らしたということです。
ギリシャ神話におけるこの逸話を元にした心理学用語が「ピュグマリオン・コンプレックス」です。「人形愛」や「人形倒錯」などと訳され、現実の人間ではなく専ら人形に愛情を注ぐという強い感情を帯びた表象群のことを表します。
人形愛とは何かを語るにあたって、澁澤龍彦が著書『少女コレクション序説』内で端的に述べている文章があるのでここにそのまま引用させていただきます。
「想像世界においてしか愛の焔を燃やそうとしない者は、現実には愛の対象を必要とせず、対象の幻影だけで事足りるのである。幻影とは、すなわち人形である。人形とは、すなわち私の娘である。人形によって、私の不毛な愛は一つのオリエンテーションを見出し、私は架空の父親に自分を擬することが可能となるわけだが、この父親には、申すまでもなく、社会の禁止の一切が解除されているのである。まさにフロイトがホフマンの『砂男』の卓抜な分析によって証明したように、人形を愛する者と人形とは同一なのであり、人形愛の情熱は自己愛だったのである」
つまり人形愛とは、自己内にある理想の異性を人形に対し想像で投影する作業に過ぎず、それは鏡に映した自分へ愛情を注ぐのと同義であるということなのです。ゲームや漫画のキャラクターに愛情を注ぐ行為も、この人形愛というものに似たところがあるかもしれません。
「心を持ってしまった人形」は、既に人形愛の対象としては存在しえない。主人を映す鏡であるからこそ愛され得た人形は、心を持つ事によって人間と同価値のものになりはててしまう。神話では幸せな余生を過ごしたとあるピュグマリオンだが、彫像を彫像として愛してしまった彼は、人間になってしまったガラテアのことを本当に愛しつづけることができたのだろうか?
ルネ・マグリットはベルギー生まれの画家で、シュールレアリストだ。日本では、美術の教科書に載っている『大家族』などの作品で有名。ちなみにシュールレアリスムとは、想像力の解放と合理主義への反逆を唱え人間自体の精神の自由と変革を目指した芸術運動である。日本語に訳すと「超現実主義」。
マグリットの絵には、現実世界にもありふれているごく平凡な見慣れたモノしか描かれない。青空、白い雲、岩、林檎、樹木、楽器、鈴、キャンバス、魚、鳥などである。しかし、絵画の中の世界秩序は現実世界とどこか違い、見る者の意識にイメージの狂いを生じさせる。例えば『アルゴンヌの戦い』という絵では雲と同じ大きさをしているとはいえ岩が空に浮かんでいるし、『絶対の欲求』という絵では木の葉が樹木然として立っている。マグリットが生涯描きつづけた『光の帝国』という作品群では、昼と夜とが同じ空間時間に共存してさえいるのだ。
『光の帝国』……を真似てみた絵@悠木
「光の帝国の中に、私は相違するイメージを再現した。つまり夜の風景と白昼の空だ。風景は夜を連想させ空は昼を想起させる。昼と夜の共存が私たちを驚かせ魅惑する力をもつのだと思われる。この力を私は、詩と呼ぶのだ」と彼は語っている。
1:(1+√5)/2、つまり1:1.618の比率は黄金比と言われ、人が美しいと感じるデザインとして古代ギリシャ以来広く普及しています。名付け親はルネサンスの超人レオナルド・ダ・ヴィンチ。
例えば、ある線分を大小2つに分割し、大:小の比率と全体:大の比率が等しくなるように分割する方法は黄金分割といって、その比率は黄金比になります。長辺と短辺の比を黄金比にした矩形は黄金矩形といい、黄金矩形の短辺で正方形を構成すると残りの矩形が黄金矩形になります。ちなみに正五角形の1辺の長さと対角線の長さの比も黄金比です。[黄金矩形の例]
黄金分割は神聖分割とも呼ばれ、古代からさまざまな造形物に黄金比が取り入れられてきました。ギリシャのパルテノン神殿やパリの凱旋門、ミロのビーナスのへそから上と下などが有名です。身近な例としては名刺、テレホンカード、カセットテープ、一方通行などを表す交通標識、コンセントボックスなどの縦と横が黄金比です。また、つくしやオウム貝や松ぼっくり等自然界にも多く見られます。 近代建築の祖ル・コルビジェはモデュロールと名づけられたデザイン用の尺度を考案しましたが、これも黄金比に基づいてたりします。
なにせ黄金と名がつくくらいですから、見た目のバランスの良さは最高です。目に入ったときに違和感を感じないというのは重要ですから、絵の構図やサイトのデザインでこれを使ってみてはいかがでしょう。身体を描く時にへそを基点にして上下を黄金比にしたり、顔の目から上と下を黄金比で分けてみたりするといいかも。